~ぶつかりあい、信頼しあい、進化させる~ 蓮月の料理人 佐藤富美子さん 池上本門寺車坂下、築84年、蕎麦屋だった建物は、昨年「古民家カフェ蓮月」(以下蓮月)に生まれかわった。 オープン以来一年、風格ある建物、洒落た内装、そしてボリュームのある料理が好評で、多くの人でにぎわっている。 特活!風雷社中の中村さんと蓮月オーナー輪島基史さんの出逢いは6年前。輪島さんが経営していた蒲田の古着屋「スパイス」のビルの2階に風雷の最初の事務所があったのだ。 「蓮月について取材してほしい」と中村さんから言われたものの、歴史ある建物の再建と店長輪島さんのストーリーは様々なところですでに取り上げられていた。 「料理人にインタビューはどうでしょう」 中村さんからOKをもらい、蓮月の料理人、佐藤富美子さんに会ってきた。 蓮月の料理人、正確には、料理開発を担当している佐藤富美子さん。 高校一年生と小学六年生の男の子を持つお母さんだ。 プロの料理人ではない佐藤さんが、なぜ蓮月の料理に携わるようになったのか・・・・・・ 佐藤さんは友達数名と『蓮根(はすね)の会』という料理研究会を4年間続けてきた。 テーマを「じゃがいも」と決めたら、数種類のじゃがいもを用意し、様々な調理法を試していく。 どの種類がどんな料理に合うのかをさぐるためだ。ある時は蓮根、ある時は生姜といった具合に食材を突き詰めていく。 そんな少しマニアックな料理の会、それが『蓮根の会』だ。 ある時佐藤さんは会のメンバーに誘われて『池上和文化プロジェクト』の会合に参加する。閉店した蕎麦屋「蓮月庵」の建物を何とか残せないか、多くの人が集まっていた。長く池上の地に住んでいる人、蕎麦屋時代の常連さん、地域活性化の拠点にしたいと考える人、その数70名を超えていた。 その中に輪島さんがいた。その日はまさに長年経営していた古着屋を閉める日。導かれるようにその会合に出たという。 この建物をどうしていきたいのか、参加する人たちの想いも提案も様々だった。のち会合の人数は15名ほどに。輪島さんはそのメンバーのリーダーに就任する。話し合いの内容はまだ「店を経営していく」には程遠い状況にあった。 「このままだとなかなかまとまらないな」 佐藤